【7月3日 AFP】チャドの首都ヌジャメナ(Ndjamena)南東300キロメートルのKounoで6月29日、過激な説教を行っていたイスラム教の導師を逮捕しようとした警察と導師の支持者との間で衝突が起こり、72人が死亡した。同国のアフマト・マハマト・バシル(Ahmat Mahamat Bachir)内務・治安相が2日、明らかにした。

 バシル内相によると、この導師は自らを神の使者だと名乗るAhmet Ismael Bichara師(28)で、衝突が起こる直前、イスラム教の預言者ムハンマド(Prophet Mohammed)の風刺漫画を新聞に掲載し物議を醸したデンマークに対し聖戦を行うことを訴えるなど、扇動的な演説を行っていたという。

 警察はこの演説を止めさせようとしたが、Bichara師はこれを拒否。「こん棒や毒矢、刀」で武装した支持者を警察に立ち向かわせたことで、警察側が発砲したという。

 衝突では、警察官4人を含む72人が死亡、警察官4人も負傷した。また、Bichara師の支持者がKounoの町を襲撃し、住宅158棟、教会4か所、病院、警察署に放火したという。

 バシル内相は、Bichara師と側近7人を逮捕したことを明らかにするとともに、Bichara師側に人質に取られていた女性90人と子ども121人が警察によって保護されたと語った。(c)AFP