【7月1日 AFP】国連食糧農業機関(United Nations Food and Agriculture OrganizationFAO)は30日、前月発生した四川大地震で被災した四川(Sichuan)省における農業被害額は60億ドル(約6360億円)規模に上ると発表した。

 FAOの現地調査によれば、農村部では約3000万人がほぼ全ての財産を失ったほか、農地数千ヘクタールが被害を受け、家畜数百万頭が死亡したという。多数の家屋や納屋が倒壊した上、農業機械数千台が損傷し、農業の再開は厳しい状況だという。

 それでも、農村部の被災者たちは地元の農地に戻り農業を再開する強い意欲を示しているという。FAOのコーディネーター、Rajendra Aryal氏は被災地の農業が完全に復旧するには3-5年を要するとみている。

 被災地では震災後、大量の小麦を収穫することができなかった。地震で多くの農民が死傷し、労働力が不足しているからだ。FAOは、被災地で肥料や農薬も不足していると指摘する。

 Aryal氏は農薬、肥料、農業機械が緊急に必要とされており、今後6か月間は農地の復旧が最大の課題となるだろうと述べた。FAOは中長期的には復興の焦点は貯水池、ダム、家畜小屋などのインフラ再建に移っていくとの見通しを示した。 (c)AFP