【6月30日 AFP】パキスタン軍が北西部で開始したイスラム武装勢力に対する軍事作戦の2日目となる29日、パキスタン政府は都市ペシャワル(Peshawar)を確保したと発表した。

 パキスタン軍高官によると、装甲車の支援を受けたパキスタン軍部隊は、ペシャワル近郊の部族地域カイバル(Khyber)の支配を回復し、イスラム反政府勢力が拠点としていた建物を破壊した。

 イスラム武装勢力との対話路線への変更を、欧米の同盟諸国から批判されていたパキスタン政府は28日、アフガニスタン内で活動する北大西洋条約機構(NATO)の国際部隊や米軍を攻撃し、ペシャワルを脅かしていた反政府勢力への作戦を開始した。

 しかし、ユサフ・ギラニ(Yousuf Raza Gilani)首相は、米国政府から作戦開始への圧力があったことを否定し、武装勢力との交渉は今後も続くと述べた。

 AFP特派員の報告によると、カイバルの中心都市バラ(Bara)では、街の支配権を取り戻した軍が戦車で巡回し、土のうを積み上げ検問所を作っていた。

 バラ近郊のある村では、アフガニスタンの旧支配勢力であるイスラム原理主義組織タリバン(Taliban)とつながりのある組織「Ansar-ul-Islam」が所有していた建物を爆破した。治安関係者によると、この組織はアフガニスタンに戦闘員を送り込んでいるとみられてきた。

 パキスタン軍部隊は、この組織が拠点としていたTirah Valleyを含むほかの地域へも進軍した。また、ラシュカール・エ・イスラム(Lashkar-e-Islam)と呼ばれる別の組織の指導者の家と本部も破壊した。当局によると、この組織はタリバンとの関与はなかったが、アフガニスタン内の国際部隊の主要供給路であるカイバル峠で、通行する車両に対する略奪を行っているとされる。(c)AFP/Tariq Mehmood