【6月25日 AFP】欧州連合(EU)の農相は23日、欧州での農薬使用に関する規定を厳格化する法案をまとめた。発ガン性物質などの人体に有害な物質を含む農薬の使用禁止も盛り込まれるが、一方で使用を認める例外的な条件が付く形となった。

 欧州議会で法案が承認されれば、すべての発ガン性物質、および人間のホルモンや生殖機能をつかさどる内分泌系を破壊する物質の農薬への使用が禁止され、有害物質の含有量が少ない農薬開発に向けた研究も奨励されることになる。

 ただし、EU議長国スロベニアの声明によると、入手可能な製品に作物を保護する十分な効き目がない場合、ほかの有害物質を厳格な規制のもとで5年以内に限って使用してもよいという例外事項を認めることで合意した。また、一部の加盟国は態度を保留している。

 スロベニアのイストク・ヤルツ(Iztok Jarc)農林食料相は声明で、今回の合意の目的は、農薬に含まれる有害物質の影響から人体や動物の健康、また環境を保護するために必要な、高い基準を確立するためだとした。

 また、業務で植物保護製品を使用する消費者や製造業者は、農薬の使用に関し記録を付けることも義務付けられることになる。(c)AFP