【6月20日 AFP】米司法当局は19日、米サブプライム(信用力の低い個人向け)住宅ローン関連のファンドが破たんしたことに絡み、米証券大手ベア・スターンズ(Bear Stearns)のヘッジファンド責任者だった元幹部2人を、共謀、証券詐欺、有線通信不正行為などの罪で起訴するとともに、サブプライム問題に関連してこれまでに400人以上を訴追したことを明らかにした。

 起訴されたのは、ベア・スターンズの元幹部のRalph Cioffi被告とMathew Tannin被告。Cioffi被告は、インサイダー取引の罪でも起訴された。

 起訴状によると、2人は「住宅ローンなどの債券を基礎にした2つのファンドを、安全性が高い商品として販売した」。また、同ファンドの破たんが近づいた際も「投資家が出資を取りやめないように、誤った説明を行った」とされる。

 2人は投資家に対し、ファンドは「適度な水準で安全・確実に利益を上げられるように」組成されていると説明していたが、2007年3月に破たんの危機を迎えた際には、その事実を投資家に伝えなかったという。

 ファンドは07年夏に破たんし、投資家は約14億ドル(約1500億円)の損失を被り、国際金融市場に大きな混乱を引き起こした。

 19日の公表によると、米当局は住宅ローン関連の不正行為で3月1日から6月18日までに406人を訴追、144件を立件。うち60人を詐欺関連罪で逮捕した。(c)AFP/Rob Lever