【6月20日 AFP】パブロ・ピカソ(Pablo Picasso)の1954年作の油彩画「シルヴェット(Sylvette)」が18日、豪オークション史上最高額となる690万豪ドル(約7億円)で落札された。

 このオークションは豪競売会社「Deutscher-Menzies」が主催したもの。落札者は「シルヴェット」に575万豪ドル(約5億9000万円)の値をつけたが、手数料などを加算すると690万豪ドルとなる。

 競売会社のオーナー、Rob Menzies氏は「20世紀最大の画家の名作がオーストラリアのオークションで史上最高額で落札された歴史的な日だ」とコメントしている。

 同作品は、ピカソがモデルのシルヴェット・ダヴィット(Sylvette David)を描いた数枚の作品のうちのひとつで、2年前にMenzies氏がニューヨーク(New York)のオークションで460万米ドル(約5億円)で落札。

 オーストラリアン(Australian)紙は、今回の落札者がMenzies氏の友人であり顧客でもあるニューヨークのコレクターだと報じた。

 Deutscher-Menziesの広報担当は、同作品を地元のオークションに出した理由について、「シドニー(Sydney)が南半球におけるアート界のニューヨークだということ、世界でもひけを取らないということをMenzies氏が示したかったからだ」と語ている。

 これまでの豪オークション史上最高額は、2007年に落札されたブレット・ホワイトリー(Brett Whiteley)の作品「アーネスト・ジャイルズのオルガス(The Olgas For Ernest Giles)」に付けられた348万豪ドル(約3億6000万円)だった。(c)AFP