【6月19日 AFP】ヨルダン政府は18日、イラク戦争の混乱に乗じてイラクから略奪された金貨や宝飾品、古代の写本を含む遺物2466点をイラクに返還すると発表した。

 ヨルダンのマハ・ハティーブ(Maha Khatib)観光遺跡相が国営ペトラ通信に語ったところによると、ヨルダンの税関で押収されたこれらの遺物は現在アンマン(Amman)に滞在中のイラクの観光担当相に22日にも引き渡されるという。 

 2003年の米軍のイラク進攻後の混乱のさなか、イラク国内の1万2000か所の遺跡から約3万2000点の遺物が略奪された。バグダッド国立博物館(Baghdad National Museum)からは1万5000点が略奪された。

 イラク当局によると、盗品の返却に対し最大で3000ドル(約32万円)の報奨金を支払う制度を導入したものの、これまでに返却されたのは4000点程度にすぎないという。

 イラクは「文明のゆりかご」とも称される。紀元前3000年頃までには、この地域に都市が出現していたと考えられている。(c)AFP