【6月17日 AFP】同性愛男性の脳は異性愛女性の脳に類似し、同性愛女性の脳は異性愛男性の脳に類似している。スウェーデンのストックホルム脳研究所(Stockholm Brain Institute)が16日、このような研究を発表した。

 研究チームは、パターンや行動の学習の直接的な影響を受けていないと思われる男女90人(異性愛者50人、同性愛者40人)の脳をMRI(磁気共鳴映像法)で分析した。

 さらに、うち50人に対し、能の側頭葉の奥にある核の集合体であるへんとう体をPET(ポジトロン放出断層撮影法)で分析した。へんとう体は性的興奮、恐怖、ホルモン分泌をつかさどり、ストレスなどの外的刺激に対する情緒反応において重要な役割を果たす。

 分析の結果、右脳は異性愛男性と同性愛女性がほかのグループよりも大きく、同性愛男性と異性愛女性では右脳と左脳が左右対称であることが分かった。また、同性愛男性と異性愛女性の脳、同性愛女性と異性愛男性の脳は、へんとう体接合部が類似していた。

 以上の結果から、チームは、すべての男性が等しく持っていると思われてきた「闘争・逃走反応」について、異性愛男性と同性愛女性のへんとう体はこうした反応をより強く受容すると推測している。

 詳細は米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に掲載されている。(c)AFP