【6月16日 AFP】前年10月に誘拐されイラン南東部で解放された横浜国立大生、中村聡志(Satoshi Nakamura)さん(23)について小野寺五典(Itsunori Onodera)外務副大臣は16日、イラン政府の尽力に心から感謝すると述べた。

 イランの首都テヘラン(Tehran)で小野寺副大臣とともに地元メディアの前に姿を現わした中村さんは8か月の誘拐生活にもかかわらず元気そうな様子だった。

 国営イラン通信(IRNA)によると小野寺副大臣は中村さんの解放についてイラン政府の尽力の結果であり、イラン政府に心から感謝したいと述べ、8か月にわたりイランの人々が最善を尽くしてくれた結果、中村さんが無事解放されたとの見解を示した。

 中村さんは前年10月8日、パキスタン、アフガニスタンと国境を接するイラン南東部バム(Bam)の宿泊先から要塞遺跡に向かう途中に誘拐された。

 中村さんの安否については、健康でイランとパキスタンの国境周辺を移動しているとするイラン政府関係者の発言など限られた情報しかなかった。

 イランのムハンマド・アリ・ホセイニ(Mohammad Ali Hosseini)外務報道官は、中村さんの解放が「組織的な犯罪やテロリズムとの戦いを含めたあらゆる分野における協力関係拡大につながることを望む」とし、「われわれは誘拐犯の要求を受け入れていない」と強調した。(c)AFP