【6月16日 AFP】南部のナポリ(Naples)などでごみ処理が滞り、路上に放置されたごみが放火されるなどの事態となっているイタリアで今週、政府が治安問題を解決するため最大2500人の軍の兵士の投入を上院に提案する。14日、イタリアのメディアが伝えた。

 イニャツィオ・ラルッサ(Ignazio La Russa)国防相は訪問中のベルギーのブリュッセル(Brussels)でイタリアの記者団に対し、この対応は、警察だけでは対処しきれない治安上の懸念を解決するためのもので、暴力的な行動の抑止効果と「国家が関与していることを示す」ことを狙っていると述べた。

 これによりイタリア全土の地方自治体は「特定の例外的な犯罪防止行動」を軍に要請できるようになる。この場合、警察官1人につき防弾チョッキを着用した兵士2-3人が割り当てられる。この措置は6か月間の期限付きで実施され、1回に限り延長できる。

 今回の対応について右派のレティツィア・モラッティ(Letizia Moratti)ミラノ(Milan)市長は、国民の不安感に対応するものだとして肯定的に評価している。

 一方で、4月の選挙に敗北した野党・中道左派の民主党(Democratic Party)は、イタリアの軍事化だとして即座に批判。中道左派のセルジオ・キャンパリーノ(Sergio Chiamparino)トリノ(Turin)市長も、治安をますます悪化させるとして批判している。さらに警察官の労働組合も反発している。

 しかし、一般市民は軍の投入をおおむね歓迎している。ニュースチャンネルTG-24が15日実施した世論調査では、全回答者の80%が軍の投入に賛成だと答えた。(c)AFP