【6月11日 AFP】ヨルダンの考古学者らが約2000年前の「世界最古の教会」を発掘したもようだと、英字紙ヨルダン・タイムズ(Jordan Times)が10日報じた。

 西暦33年から70年の間に建造されたと見られる教会は、シリアとの国境に近いヨルダン北部のリハブ(Rihab)にある、西暦230年に建立されたSaint Georgeous教会の地下洞窟で発掘されたという。

 洞窟からは3-7世紀のものと見られる陶器、聖職者用と見られる複数の石の椅子、祭壇跡と見られる円形の空間が発見された。さらには、水源につながっていたと見られる深いトンネルが1本見つかった。

 リハブ考古学研究センターのAbdul Qader al-Husan所長は、キリストの70人の弟子を含めた初期のキリスト教徒らが、ローマ時代後期までこの教会に暮らしていたのではないかと見ている。

 モザイク画にも描かれている70人の弟子は、ローマ帝国による迫害を逃れるためにエルサレム(Jerusalem)を脱出し、北ヨルダンに複数の教会を建てたと言われる。70人は地下教会に暮らし、宗教儀式も行っていたとの記述が残っている。彼らが地下教会をあとにしたのは、ローマ帝国がキリスト教を国教に定めて以後のことだという。

 ギリシャ正教大司教区の副司教は、今回の発見は「世界中のキリスト教徒にとって記念すべき出来事」だと話した。

 リハブには計30の教会がある。先のHusan氏は、キリストと聖母マリアもリハブを訪れたことがあるのではないかと考えている。(c)AFP