【6月11日 AFP】オーストラリア運輸安全局(Australian Transport Safety BureauATSB)は10日、大勢の乗客が密室空間で数時間を過ごす航空機内は感染リスクが特に高いとの一般常識は誤りとする調査結果を発表した。

 航空機内は雑菌だらけとの思いこみは、航空機が機内に取り入れた外気を再循環させる空調システムを採用していることからくる誤解とみられる。

 これについてATSBは、再循環・ろ過機能が正常に作動していれば、病原菌から空気感染するリスクはバスの車内や街中のレストランの店内よりも、むしろ少ないと主張する。

 2002年に香港(Hong Kong)を中心にアジアに広まったSARSSevere Acute Respiratory Syndrome、重症急性呼吸器症候群)や最近の高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)の拡大も航空旅行の衛生面に対する懸念を高めたとしている。

 実際に、インフルエンザ、結核、SARSなどの機内での感染例があるのも事実だが、膨大な飛行便数と比較して、こうした感染例の報告は極めて少ないとATSBは指摘する。感染事例でも、感染は被菌者の乗客と座席が接近していたための飛沫(ひまつ)感染によるもので、空気循環によるものではないという。

 飛行中の航空機が取り込む外気は、元来、無菌状態にある高度のものだ。 

 機内の空気は機体上部から床に向かって流れ、床下で再循環または機外に排出される。空調システムは、空気が座席の横列方向に流れ同じ座席列の下部から排出されるように設計されており、機内の空気が前後に移動することはないという。

 こうした空気循環経路や頻度の高い換気システムにより、機内感染リスクは最小限に抑えられていると、ATSBは説明している。(c)AFP