【6月10日 AFP】米大統領選の共和党指名候補争いで、マイク・ハッカビー(Mike Huckabee)前アーカンソー(Arkansas)州知事は共和党員の十分な支持を得られず、ジョン・マケイン(John McCain)上院議員に敗れた。だが、今なら同僚の1人からは熱烈に支持されるだろう。ハッカビー氏は命の恩人だからだ。

 ノースカロライナ(North Carolina)州の副知事に立候補しているロバート・ピッテンジャー(Robert Pittenger)氏は7日、食べ物を喉に詰まらせ、それをハッカビー氏が取り除いたという。

 ハッカビー氏は9日、米テレビ局FOXに対し、「たまたま見たら、誰かが(ピッテンジャー氏の)背中をたたいていたんだ。喉に何かが詰まった時に背中をたたくのは一番よくないことなんだよ」と語った。

 若いころ救急医療の訓練を受けたことがあるハッカビー氏は、考えるよりも先に体が動き、すぐにピッテンジャー氏に近づいて、腹部を圧迫して異物をはき出させるハイムリック法(腹部突き上げ法)を行ったという。 「今にすると失礼だったと思うけど、『ちょっといいですか』とだけ言って背中をたたいていた人を押しやって、(ピッテンジャー氏に)ハイムリック法を3、4回やってあげたんだ。すぐに詰まってた物はとれたよ」

 異物が取れると、ハッカビー氏は何事もなかったかのように自分の席に戻り、おしゃべりを続けたという。 「こんな素晴らしい政治家が、チキンのかけらで政治生命を終わらせるところなんて見たくないだろう」(c)AFP