【6月9日 AFP】米大統領選は8日、民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)上院議員(46)と共和党のジョン・マケイン(John McCain)上院議員(71)の一騎打ちの構図が確定したことから、イラク問題、外交政策、健康保険制度、雇用問題といった主要政策をめぐる具体的な論戦がスタートした。

■両党の副大統領候補が批判合戦

 オバマ氏の副大統領候補として名前が挙がっている民主党のティム・ケーン(Tim Kaine)・バージニア(Virginia)州知事は、米FOXテレビに出演し、マケイン氏の経験の長さが、政策を決定する上でオバマ氏より良い判断が下せる根拠にはならないと指摘。「われわれはイラク戦争やそのほかの政策で、米政府が失敗に失敗を重ねるのを見てきた。そしてマケイン上院議員は、現政府の政策を踏襲すると表明している」と述べた。

 一方、マケイン氏の副大統領候補といわれる共和党のティム・ポーレンティー(Tim Pawlenty)・ミネソタ(Minnesota)州知事はオバマ氏について、増税路線を推進していると批判。イラク政策や、米国が敵視する国の指導者と会談するとの方針は大きな間違いだと述べ、「彼(オバマ氏)は米政治のみならず、民主党内でさえ主流派の政治家ではない。ほとんど機械的に、党内の幹部やリベラル派の利益団体と足並みをそろえてきた人物だ」との評価を示して、マケイン氏との差を強調した。

 また、医療保険制度改革をめぐっては、ポーレンティー知事とサウスカロライナ(South Carolina)州選出(共和党)のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員が、オバマ氏の政策は「大きな政府」に向かっていると指摘。経済政策でも、ビジネス上のコストを増大し雇用を減らす結果につながる可能性があると述べた。

 これに対し、ケーン知事や2004年の民主党大統領候補ジョン・ケリー(John Kerry)上院議員は、マケイン氏の政策では4700万人もの米国民が保険未加入のまま置き去りにされると反論、このままではジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)大統領が3期目を務めるのと何ら変わらないと批判した。

 ケリー氏は「マケイン氏の陣営はロビイストで一杯で、その中にはサブプライム問題を引き起こした張本人を関わりのある人物も含まれている。それで改革ができるわけがない」と語った。

■「クリントン副大統領」の可能性

 一方、7日に撤退とオバマ氏支持を表明したクリントン氏についても、完全に大統領選から姿を消したわけではない。予備選でクリントン氏が獲得した1800万票をめぐって、クリントン氏こそオバマ氏の副大統領候補にふさわしいとの主張があるためだ。

 5日に行われたオバマ、クリントン両氏の秘密会談を取り持ったカリフォルニア(California)州選出のダイアン・ファインスタイン(Dianne Feinstein)上院議員は、米ABCテレビで「あらゆる副大統領候補を考えたが、クリントン氏ほどの適役はいない」と述べた。

 ただ、クリントン陣営の広報担当ハワード・ウォルフソン(Howard Wolfson)氏は、クリントン氏が副大統領候補を要求している事実はないとあらためて明言。今後は上院議員職に戻り、これまで通り地元ニューヨーク(New York)州のためにさまざまな問題に取り組んでいくと語っている。(c)AFP