【6月2日 AFP】長年にわたり世界のファッション界をリードし、「モードの帝王」と呼ばれたイヴ・サンローラン(Yves Saint Laurent)氏が1日、71歳で死去した。世界各国で活躍するデザイナーやファッション関係者から追悼のコメントが続々と発表された。

■ヴィヴィアン・ウエストウッド

 ヴィヴィアン・ウエストウッド(Vivienne Westwood)は「サンローランは最もすばらしいクチュリエのひとりであり、完ぺきな仕事をする数少ない人物のひとりでもありました」と追悼の意を表明。

■クリスチャン・ラクロワ

 ラクロワ(Christian Lacroix)は、「シャネル、スキャパレリ、バレンシアガ、ディオールも素晴らしいデザイナーだった。しかし、彼らはある特定のスタイルの中で仕事をしてきた。イヴ・サンローランはそのスタイルすべてを組み合わせたような多才な人物だ。シャネルの型とディオールの豪華さとスキャパレリの機知を組み合わせたようだと思うときがあった」とコメント。

■森英恵

 森英恵(Hanae Mori)は、サンローラン氏はどのデザイナーよりも女性を理解していたと語る「彼は手本となる人物でした。他のだれよりも、新しい時代の女性のことを理解していたと思います。彼は、働く女性たちのために、とても心地よくて、同時に洗練されたパンタロンをデザインしました。機能的だけど、エレガントなんです」

 「サンローラン氏は、パンツスーツに自由な解釈を与えました。シルクのブラウスやプリントシャツと組み合わせることによって、男性のスタイルをフェミニンに変えたのです。とても好きでした」。森は今もイヴ・サンローランのスーツをたくさん所有しているという。

■芦田淳

 芦田淳(Jun Ashida)は「初めてパンツスーツが登場したとき、あまり好きになれませんでした。今でもですね。女性の脚は、最もセクシーな価値あるものだという信念があるからです。しかしながら、彼は働く女性への観察眼をもっていました。時代を的確に予測し、世界を動かしたのです。彼はファッション界の帝王でした」と語る。

■アレクサンドラ・シュールマン

 英版ヴォーグ(Vogue)誌ののアレクサンドラ・シュールマン(Alexandra Shulman)は、英国放送教会(BBC)のインタビューに対し、サンローラン氏がファッションの民主化を手助けしたと語る。「サンローラン氏が登場する以前は、裕福な人のための小さなサロンしかありませんでした。彼はそれを人々のあいだにもたらしたのです。彼には、若く、格好よかった。ポップスターたちが彼のもとに入り浸り、若い世代がサンローラン氏と結びつくようになった」

■コレット・ディニガン

 ニコール・キッドマン(Nicole Kidman)らを顧客に持つオーストラリア出身のデザイナー、コレット・ディニガン(Collette Dinnigan)は「サンローラン氏は天才だった。なんて悲劇だろう。彼は、この世界に残された、象徴的なデザイナーのひとりだった」と語った。(c)AFP