【5月28日 AFP】(写真追加)ロンドン(London)とニューヨーク(New York)を地下トンネルで結び、両端から互いを見ることのできる「テレクトロスコープ(Telectroscope)」が人々の注目を集めている。

 ロンドン側はテムズ(Thames)川のサウスバンクにある市庁舎横、ニューヨーク側はブルックリン橋(Brooklyn Bridge)にそれぞれ、地表を突き破って出てきたかのような両端の覗き口がある。ロンドン側では1ポンド(約200円)で覗くことができ、人々は向こう側の相手に手を振ったり、「ロンドンからこんにちは」と書いた紙を見せたりしている。

 互いのリアルタイムの映像を見ることができる、21世紀の技術を駆使したこの装置には、もっと有効な使い方もあるという。制作会社Artichokeのニッキー・ウェブ(Nicky Webb)氏は語った。「いろんな可能性があります。向こう側にいる友人と会うこともできるし、プロポーズだってできます」

 発案したのは、英国のアーティスト、ポール・セント・ジョージ(Paul St George)氏(53)。ウェブサイトにはトンネルの構図を示した略図が掲載され、鏡を用いて互いの映像を見ることのできるシステムが説明されている。高解像度の映像の送信にはブロードバンドのインターネット接続が使用されているとみられる。

 さらにこのプロジェクトを始めたセント・ジョージ氏の曽祖父の話も語られ、トンネルでシャベルを持った同氏の写真も載せられている。そこには、「秘密のトンネルが大西洋の海底を通っているなどほとんど誰も知らなかった。2008年5月、スタートから1世紀以上が経過し、トンネルはついに完成した」と書かれている。(c)AFP

テレクトロスコープのウェブサイト(英語)