【5月28日 AFP】4月に実施された選挙でネパール共産党毛沢東主義派(毛派)が第1党となったネパールの制憲議会(定数601)が27日、開幕し、宣誓式が行われた。議会では憲法が書き換えられ、直ちに立憲君主制が廃止されることになる。

 政治指導者によると、議会は28日に初会議を行い、立憲君主制を廃止し、ギャネンドラ国王(King Gyanendra)を解任する。

 毛派のプスハ・カマル・ダハル(Pushpa Kamal Dahal、別名プラチャンダ、Prachanda)書記長は、宣誓式に向けて会議場に入る前、記者団に対し「今日、新たな時代を迎えた」と語った。同議長の首相就任が予定されている。

 毛派は10年にわたり武装闘争を続けた後、06年に和平協定に合意し、今年4月に実施された制憲議会の選挙で議席の3分の1を獲得して第1党となった。

 プラチャンダ書記長は、「過去50年間、人々はこの日のために戦い続けてきた。明日、立憲君主制は正式に終わりを迎える」と述べた。

 議会で宣誓式が行われた数分後、ギャネンドラ国王は車3台の小さな車列で王宮を後にした。王宮の門の前で取材していたAFPの記者によると、国王はコマル(Komal)王妃と黒のメルセデス・ベンツ(Mercedes-Benz)に乗車し自分で運転していたという。王宮の広報局によると、国王の行き先や、永久に国を離れるのかについては分からないという。

 ギャネンドラ国王は2001年、王宮内で虐殺事件が発生した後、即位した。毛派が示していた王宮の明け渡しと国王の退任の要求に応じた形となった。

 一方、首都カトマンズ(Kathmandu)では緊張が高まっている。26日の複数の爆発事件に続き、27日にも市中心部の公園で小規模な爆弾の爆発事件が起き、2人が負傷した。(c)AFP/Tripti Lahiri