【5月20日 AFP】博報堂(Hakuhodo)が東京やニューヨーク(New York)など世界8都市で行った環境への意識調査によると、日本は環境対策分野では最先端の技術を持っているものの、環境に対する意識は東京が最も低いことが明らかになった。

 調査は、東京、ニューヨーク、パリ(Paris)、ロンドン(London)、ミラノ(Milan)、モスクワ(Moscow)、トロント(Toronto)、フランクフルト(Frankfurt)の各都市に住む2600人を対象に行われた。

「地球温暖化防止のために、便利な生活を犠牲にしたくない」と回答した人の割合は、8都市の平均が29.7%だったのに対し、東京都民では41.6%に上った。これに対し、地球温暖化防止のために生活様式を変えることに最もためらいのなかったのは、パリ市民とミラノ市民だった。

 また「環境に配慮した生活様式を取り入れている」や「環境に配慮した生活が快適である」と回答した人の割合も東京が最も低かった。

「シャワーを浴びる時間を短くする」や「緑化運動に参加する」などの温暖化防止のための日常の行動27項目のうち、東京都民が平均を上回ったのは5項目だけだった。

 特に「地球温暖化などについて学習する」「森林などの保全活動に参加する」「環境に配慮した製品を購入する」については最下位で、「太陽光、風力、バイオマスなどクリーンなエネルギーを使う」でも平均以下となった。

 一方、東京都民の約90%は地球温暖化に脅威を感じており、「環境保護は経済成長よりも重要だ」との回答は最も多かった。

 博報堂は、今回の調査で、東京都民は「長年享受してきた便利な生活を犠牲にしたくないというジレンマを抱えている」ことが明らかになったとしている。(c)AFP