【5月17日 AFP】第61回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)に華を添えるプリンセスたちは多い。アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)、ケイト・ブランシェット(Cate Blanchett)、シャロン・ストーン(Sharon Stone)・・・だが、15日には正真正銘のプリンセスが登場した。タイのウボンラット(UbolRatana)王女だ。

 この日、王女は自作の映画『Where The Miracle Happens』の宣伝のためにカンヌに訪れた。自著をもとに脚本を起こし、出演もしたこの作品は、コンペ外作品として上映される予定になっている。

 映画のあらすじはこうだ。タイの会社でばりばり働くある母親が、ある日、娘を交通事故で亡くす。その子の心臓を自分に移植した母親は、トラウマを抱えながら、貧しい地方をめぐって学校の建設に向けた慈善活動に精を出すようになる。

 王女は、タイの若者たちが直面している経済や家族の問題に焦点をあて、恵まれている人々が自分たちのできる範囲でもっと支援の手を差し伸べるよう呼びかける目的で映画を作ったと話した。

 王女はプミポン・アドゥンヤデート(Bhumibol Adulyadej)国王の長子で、米国に留学後に米国人と結婚。子どもをもうけたが、1998年に離婚し、その3年後にタイに帰国した。王女自身、2004年のインド大津波で息子を1人失い、地方に足繁く通って教育の向上に尽力している。(c)AFP/Audrey Stuart