【5月8日 AFP】アイルランド出身のロック歌手で活動家のボブ・ゲルドフ(Bob Geldof)氏が「アンゴラは犯罪者たちに率いられている」と発言したことについて、アンゴラのアギナルド・ジャイメ(Aguinaldo Jaime)副首相は7日、これを強く非難した。

 ゲルドフ氏のこうした発言は、6日にポルトガルの首都リスボン(Lisbon)で開催された「持続可能な発展会議」で飛び出した。ゲルドルフ氏はアンゴラ政府が、ルアンダ湾(Bay of Luanda)岸に、ロンドンの高級住宅地であるチェルシー(Chelsea)やパークレーン(Park Lane)よりも豪華な住宅地を建設しようとしているとして、政府を「犯罪者」呼ばわりした。

 これに対し、ジャイメ副首相は国営RNAラジオで「彼はアンゴラ人を完全に見下しており、発言は不適切。彼はアンゴラの現実をわかっていない。政府が公共住宅の建設を手厚く支援してきたことを、彼は知らない」と、ゲルドフ氏を非難。また、同氏の言う「高級住宅」は民間企業が建設したものであり、その価格に政府が口出しできるものではないと付け加えた。

 一方、政府の社会住宅計画の委託を受けた不動産会社「Imogestin」の幹部は、手ごろとされる住宅でも「18万ドル(約1900万円)で、ほとんどのアンゴラ人には手が出ない」とAFPに語っている。

 ゲルドフ氏は、アフリカ諸国の窮状を訴えた1985年のチャリティーコンサート「ライブエイド(Live Aid)」を主催し、英国でナイトの称号を受けた人物。アンゴラは最貧国の1つだが、原油埋蔵量が豊富で、そのため「アンゴラは世界でも最も裕福な国の1つになる可能性を秘めている」とゲルドフ氏は語ったことがある。(c)AFP