【5月9日 AFP】マッチ棒のように細長い人間を描いた独特の作風で知られる英画家、L・S・ローリー(L.S. Lowry)の作品4点が、6月6日にロンドン(London)で行われるクリスティーズ(Christie's)のオークションに出品される。いずれも最近まで、長い間人目に触れることのなかった作品だ。

 4作品のうちの1つ、『An Old Church』は、1940年代に行方がわからなくなり、最近、個人のコレクションの中から発見されたもの。ボルトン・ワンダラーズ(Bolton Wanderers)FCのサポーターだったというローリーが描いた『Manchester City vs Sheffield United, 1938』も注目を集めている。この2作品の予想落札額はそれぞれ100万ポンド(約2億円)以上。

 そのほか、『The Spa』には25万ポンド(約5100万円)、『A Cricket Match』には60-80万ポンド(約1億2200-1億6200万円)の値が付くと予想されている。

 クリスティーズのRachel Hidderley氏によると、これらの作品には、一般市民の日常を描き出したことで知られるローリーの作風が現れているという。「ローリーは大のサッカーファンだった。観戦のため競技場に訪れた際に目にした観客らを、絵画に描き出していた。選手よりも競技場に詰めかけた観衆に注目していた」

『An Old Church』では、集団として描かれている人々が、実は一人ずつ孤立して立っている。「これはローリーの作品の特徴である普遍的な孤独を表現している」とHidderley氏は説明する。

 ローリーは1887年、マンチェスター(Manchester)生まれ。イングランド北部の工業都市における人々の生活を想起させる作品を数多く残し、1976年に死亡した。(c)AFP