【5月2日 AFP】国際テロ組織アルカイダ(Al-Qaeda)の指導者ウサマ・ビンラディン(Osama bin Laden)容疑者の息子オマル・ビンラディン(Omar bin Laden)氏(27)は、英国への移住申請が「著しい社会的懸念を引き起こすこと」を理由に拒否されたとして訴訟を起こした。同氏の英国人の妻が1日、明らかにした。

 オマル氏は前年、故郷のサウジアラビアでZaina Alsabah(旧名ジェーン・フェリックス・ブラウン、Jane Felix-Browne)さん(57)と結婚。Zainaさんの家族が住む英国への移住を希望していた。

 だが、エジプト・カイロ(Cairo)の英国大使館の入国審査部は、「2005年7月のロンドン(London)爆弾テロに間接的に責任のある父親(ビンラディン容疑者)への忠誠を示している」として移住申請を却下したという。

 入国審査部の係官は、却下の決定は「オマル氏が最近行ったメディアとのインタビューの中での発言」が原因だと語ったが、オマル氏らは「新聞の記事だけを見て」決定が行われたとして非難している。

 オマル氏の弁護士は声明を発表し「新聞の記事と、父親との血のつながりだけで人権が踏みにじられている。両親を選ぶことはできないのだから、この拒否判断は差別的だ」と強調した。

 オマル氏は今年初め、米テレビ局CNNのインタビューの中で、ビンラディン容疑者とは、オマル氏がアフガニスタンにあるアルカイダの訓練キャンプを去った2000年以来会っていないことを明らかにした。

 また、2001年9月11日の米同時テロ事件について「個人的には正しいことだとは思っていないが、すでに起こってしまったことだ」と語った。(c)AFP/Charles Onians