【4月27日 AFP】米国の衛星利用測位システム(Global Positioning SystemGPS)に対抗するため欧州宇宙機関(European Space AgencyESA)が進める「ガリレオ(Galileo)」計画で、2号機衛星GIOVE-Bを搭載したソユーズ(Soyuz)ロケットが27日午前4時16分(日本時間同日午前7時15分)、カザフスタンのバイコヌール(Baikonur)宇宙基地から打ち上げられた。

 欧露合弁の打ち上げ専門会社StarstemYves Le Gall社長によると、ソユーズ・ロケットはグリニッジ標準時27日午前2時(日本時間同日午前11時)過ぎにGIOVE-Bを予定された軌道に投入した。

 GIOVE-Bは欧州EADSアストリウム(EADS Astrium)と仏タレス・アレニア・スペース(Thales Alenia Space)が製造、立方体の形状と500キロの質量を持つ。2005年12月に打ち上げられた最初のテスト衛星GIOVE-Aを引き継ぐ。

 ガリレオ計画には数々の遅れが生じたが、自動車や船舶に広く装備される米GPSに対抗することを目指す。

 計画では今後さらにテスト衛星2機を打ち上げ、最終的には高度2万キロの軌道に30機前後の衛星を配置する。

 欧州連合(EU)のジャック・バロー(Jacques Barrot)運輸担当副委員長は仏週刊紙ジュルナル・デュ・ディマンシュ(Le Journal du Dimanche)のインタビューに、「もはや米主導のGPSのみに依存する世界では生き残ることはできない。ガリレオ計画は欧州の主権を維持する一つのツールだ」との見方を示した。(c)AFP