【4月27日 AFP】ロシアを訪問中の福田康夫(Yasuo Fukuda)首相は26日、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領とモスクワ(Moscow)郊外の大統領官邸で首脳会談を行った。両首脳は、両国の関係改善を評価し、北方領土問題について交渉を続けていく方針を確認した。

 5月7日に任期を終えるプーチン大統領は「過去2、3年で両国の関係の質を変化させることができた」と述べ、2国間関係が大幅に改善したとの見解を示した。

 福田首相は7月の北海道洞爺湖サミット(主要国首脳会議)を前に連携していくと述べた。

 会談ではエネルギーや貿易、主要国首脳会議、北方領土などについて協議した。

 プーチン大統領は「平和条約締結に向けた対話は続いており、さらに推し進めるために必要なあらゆる条件を築く」と前向きな姿勢を示した。

 福田首相は前年9月の就任以来初のロシア訪問。今回の訪問をきっかけにドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)次期大統領との個人的な関係を築きたいと抱負を述べた。

 ロシア政府の統計によると日ロ間の貿易額は前年比65%増の201億ドル(約2兆1000万円)。プーチン大統領は貿易規模は2003年から5倍になったと指摘した。

 ロシアのタス通信(ITAR-TASS)によると福田首相はアジアには北朝鮮を含め困難な問題がたくさんあると指摘、これらの問題を乗り越えねばならないが、ロシアが大きな役割を担っていると述べ、同地域におけるロシアの役割を称賛し、さらにその役割を拡大すべきだとの見解を示した。

 2009年までにサハリンの天然ガスを日本の輸入の8.5%にまで拡大し、原子力計画についても協議が行われている。

 この後福田首相はメドベージェフ次期大統領とも会談した。文化交流の一環として福田首相は26日、モスクワの学校を訪問、花で迎えられた福田首相日本語が披露された。(c)AFP/Ursula Hyzy