【4月24日 AFP】最近変更された公式名称を旧名称へ戻すことを求めていたアイルランド南西部の村に対し、アイルランド政府は24日、旧名称への再変更を正式に認めた。

 アイルランドのリメリック(Limerick)州にあるこの村は、過去数世紀にわたり現地のゲール語(アイルランド語)で「Dun Bleisce」、英語名「Doon」または「フォート・オブ・ハーロット(Fort of the Harlot)」と呼ばれ、いずれの呼称でも「売春婦のとりで」を意味していた。

 しかし、アイルランドの公式地名を決定する機関である「命名委員会」の勧告により2003年、「ゲール人のとりで」を意味するようゲール語名「An Dun」、英語名「フォート・イン・ゲーリック(The Fort in Gaelic)」に名称変更された。

 この決定は地元住民に不人気で、元の呼称に戻すことを求める署名約1000人分が集まった。また地元政治家たちも反対を支援する動きに回った。

 地元では、元の語の現代語訳は「売春婦」にあたるが、古代にこの名前がつけられた時には現代の「売春婦」とは意味するものが違ったと主張した。

 反対運動を受けてアイルランドのイーモン・オクィーブ(Eamon O’Cuiv)コミュニティー・地方・ゲール語圏担当相は「命名委員会」に勧告に関する再考を求め、最終的に地元の主張が通った。

 アイルランド共和国建国の功労者の1人であるイーモン・デヴァレラ(Eamon de Valera)元大統領を祖父に持つオクィーブ相は、1824年から開始された英政府による地図作成事業によって英語化されたゲール語地名数千を、元のゲール語名に戻すことを命じている。

 アイルランドでは元来、ゲール語が使用されていたが、イングランドによる植民地化とともに英語が公用語とされ、それに続き英語使用が圧倒的となった。(c)AFP