【4月23日 AFP】男の子が欲しい女性は糖分をたっぷりとると効果的。女の子が欲しければ、摂取カロリーを減らすとよいかもしれない。そうした研究結果が、23日の英国王立協会紀要(Proceedings of the Royal Society B)に発表された。

 英エクセター大学(University of Exeter)のフィオナ・マシューズ(Fiona Mathews)氏率いる研究チームは、母親の食生活が産まれてくる子どもの性別に影響を与えるかを調査した。

 調査では、胎児の性別を知らない初産婦740人を対象に、妊娠前後の食生活を詳細に記録してもらい、1日当たりの消費カロリー別に3つのグループに分けた。すると、男の子が産まれた人は、消費カロリーが最も高かったグループでは56%で、最も低かったグループの45%を上回った。

 また、男の子が産まれた人では、カリウム、カルシウム、ビタミンC、E、B12など、栄養を幅広く摂取していることが分かった。具体的には、毎朝必ずシリアルを食べる人では、1週間に1回程度食べる人よりも男の子が産まれる確率がはるかに高かった。

 研究チームは、過去40年間で新生児に女児が占める割合の方が高くなってきていることがこれで説明できるとしている。先進国では、肥満は増えているにもかかわらず、エネルギーの平均摂取量は減っていることが、研究で明らかになっている。朝食を抜く大人も増えている。

 また、栄養が不足しがちな発展途上国では男児の割合が減りつつあるという事実も、栄養と性別決定の相関性を裏付けるものだとしている。

 マシューズ氏は、こうした相関性は「自然防御メカニズム」のひとつだと指摘する。

 環境が良ければ大半の生物では、1匹のオスが産ませた子どもの数は1匹のメスが産んだ子どもの数より多い。しかし環境が悪い場合は、オスよりメスの方が子孫を残せる可能性が高くなる。したがってメスは、栄養をたっぷりとった場合には「種の保存」のために子孫をより多く残せるオスの方を産む選択をするのだという。また、逆に、栄養がとれない場合はメスを産む方がより安全だという。

 こうしたメカニズムはまだ実証されていないが、体外受精実験では、ブドウ糖や糖分が多いと男性胚の生成が促進され、女性胚の生成が抑制されることがわかっている。(c)AFP