【4月22日 AFP】仏南西部ポー(Pau)で21日、2004年にピレネー(Pyrenees)山脈に生息するヒグマを射殺したハンターに無罪が言い渡された。動物保護団体からは激しい抗議の声が上がっている。

 ハンターのRene Marqueze氏(65)は2004年、仏南西部での狩猟中に、「カネル(Cannelle)」という名前で呼ばれていたヒグマを射殺したとして訴えられていた。カネルはこの地域に生息する最後の雌だった。同氏は身を守るために射殺したと主張していた。

 ポーの裁判所は、Marqueze氏が同地域でハンティングを行ったことは法に違反していることではなく、発砲はやむを得ないものだったとの判断を下した。

 自然保護団体の世界自然保護基金(World Wildlife Fund for NatureWWF)は、今回の決定を、絶滅危ぐ種動物保護を台無しにする「殺害許可証」だと非難した。別の環境保護団体も、殺されたヒグマの代わりにピレネー山脈にヒグマ2頭を放つべきだとしている。

 カネルが射殺されたことに大きな衝撃を受けたフランスでは、2006年からヒグマの生息数を増やすための野心的な計画が導入された。この計画に基づき、スロベニアで捕獲された雌4頭、雄1頭の計5頭のヒグマがピレネー山脈に放たれている。

 これらのヒグマはすでに同山脈地域に生息している14-18頭の雄のヒグマの仲間入りをしているが、放されたヒグマが羊などを襲ったとして地元の農業関係者は強く反対している。

 ピレネー山脈のヒグマは、100年前には数百頭が生息していたとみられている。(c)AFP