【4月22日 AFP】パリ(Paris)市議会は21日、チベット(Tibet)仏教の最高指導者ダライ・ラマ(Dalai Lama)14世を名誉市民にする提案を可決した。北京五輪の聖火リレー妨害問題などをめぐって中国各地で反仏デモが続く中、中仏関係の緊張がさらに高まる可能性もある。

 パリ市議会はまた、今月初めに国家政権転覆扇動罪で実刑判決を受けた著名な中国人人権活動家、胡佳(Hu Jia)氏も同様に名誉市民にすることで可決した。

 提案を行ったベルトラン・ドラノエ(Bertrand Delanoe)パリ市長は、パリ市はダライ・ラマ14世を称賛するとともに、「尊厳や自由、質素な生活などの最も基本的な権利を守ろうとしているチベットの人びとに対する支持を表明したい」と語った。

 中国では前週末、仏小売り大手カルフール(Carrefour)や米テレビ局CNNに対する抗議活動が数都市で行われたが、21日にも9つの都市で新たな抗議活動が行われた。

 中国全土に122の店舗をもつカルフールに対しては、ニコラ・サルコジ(Nicolas Sarkozy)仏大統領がチベット問題をめぐって北京五輪の開会式欠席を示唆したため、不買運動が行われている。

 一方、サルコジ大統領は中国の対仏感情の悪化を防ぐ目的で、パリでの聖火リレーの際にチベット支持派からトーチを守ったとして有名になった、車いすの元フェンシング選手、金晶(Jin Jing)さんに手紙を送ったという。(c)AFP