フセイン失脚後のイラク人の受難描いた映画、完成から4年を経て凱旋上映
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【4月18日 AFP】(一部訂正)サダム・フセイン(Saddam Hussein)元大統領失脚後のイラク国民の受難を描く映画『夢(Ahlaam)』の完成から4年。ムハンマド・アル・ダラージ(Mohammed al-Daradji)監督の力作が前週ようやく、母国で公開の日を迎えた。
公開された街は、クルド人自治区のアルビル(Arbil)。3回の上映の前に、バグダッド(Baghdad)での特別試写会も行われた。
公開に合わせてアルビルを訪れていたダラージ監督は「国民の記憶に永遠に残る歴史的な日を描いたこの作品を上映できて、本当にうれしい。これまで多くの映画祭に出品してきたが、やっと母国に来ることができた」と語った。監督によれば、国内では政治・治安情勢が緊迫しており、『夢』の公開はこれまで難しいと考えられていたという。
『夢』は精神病院を舞台に、フセイン政権下で長く苦しんできた3人の主人公の人生を考察する。
■イラクに降りかかった運命を描く
原題の『Ahlaam(アラ-ム)』は、結婚式の日に愛する男性が暴行を受けた上に逮捕される場面を目撃してしまい、途方に暮れる女性の名前。彼女と、米軍の爆撃により戦闘神経症と精神的外傷に苦しむ元兵士のアリはバグダッド精神病院に入院している。もう1人の主人公は勤勉な理想家のメーディ(Mehdi)医師。この病院で働きながら、人間性が憎しみと恐怖で踏みにじられるのではなく、大切なものとして尊ばれる自由な国イラクの誕生を切望している。
映画は、この病院が2003年4月、イラク進攻米軍の爆撃を受け、3人にとって激動の日々が始まるシーンで幕を開ける。
冒頭の爆撃シーン。恐怖におののく入院患者たち。カメラは爆撃開始時からの3人の様子を追うが、Acil Adel演じるアラームに主に焦点を当てている。病院を逃げ出したはいいが、アラームは米軍進攻下の危険なバグダッドで生き抜いていかねばならない。
アラームはその後、さらなる蛮行に苦しめられる。最初は強盗に、次に米兵に暴行を受けるのだ。これこそがイラクに降りかかった運命だ――監督はあからさまにそうほのめかしている。
■撮影中もトラブル多発
ダラージ監督は2003年1月のイラク戦争開戦時、フセイン政権下での迫害から逃れるため欧州に亡命した。同年4月、米軍進攻直後の普通のイラク人の窮状を描く映画を作るため、祖国に帰った。
撮影はバグダッド市内で行われたが、外出禁止令が出され、電気も止められている非常に困難な状況だった。監督も含めたクルーは幾度となく、映画撮影中であることを疑う暴徒や米軍に拘束された。
だが監督の苦労はしっかりと実を結んだ。映画が完成した2004年以降、カイロ(Cairo)、ドバイ(Dubai)、カルタゴ(Carthage)、ロッテルダム(Rotterdam)、ミュンヘン(Munich)、モスクワ(Mosco)、ニューヨーク(New York)、シアトル(Seattle)、東京などの国際映画祭で上映されたのだ。スペイン、米国、英国では配給もされた。
数々の賞も受けた。2005年のカイロ国際映画祭(Cairo International Film Festival)では最優秀アラブ映画賞、2006年にパリ(Paris)で開かれたアラブ映画祭では特別審査員賞、2006年のカルタゴ映画祭(Carthage Film Festival)では最優秀主演男優賞を獲得している。(c)AFP
公開された街は、クルド人自治区のアルビル(Arbil)。3回の上映の前に、バグダッド(Baghdad)での特別試写会も行われた。
公開に合わせてアルビルを訪れていたダラージ監督は「国民の記憶に永遠に残る歴史的な日を描いたこの作品を上映できて、本当にうれしい。これまで多くの映画祭に出品してきたが、やっと母国に来ることができた」と語った。監督によれば、国内では政治・治安情勢が緊迫しており、『夢』の公開はこれまで難しいと考えられていたという。
『夢』は精神病院を舞台に、フセイン政権下で長く苦しんできた3人の主人公の人生を考察する。
■イラクに降りかかった運命を描く
原題の『Ahlaam(アラ-ム)』は、結婚式の日に愛する男性が暴行を受けた上に逮捕される場面を目撃してしまい、途方に暮れる女性の名前。彼女と、米軍の爆撃により戦闘神経症と精神的外傷に苦しむ元兵士のアリはバグダッド精神病院に入院している。もう1人の主人公は勤勉な理想家のメーディ(Mehdi)医師。この病院で働きながら、人間性が憎しみと恐怖で踏みにじられるのではなく、大切なものとして尊ばれる自由な国イラクの誕生を切望している。
映画は、この病院が2003年4月、イラク進攻米軍の爆撃を受け、3人にとって激動の日々が始まるシーンで幕を開ける。
冒頭の爆撃シーン。恐怖におののく入院患者たち。カメラは爆撃開始時からの3人の様子を追うが、Acil Adel演じるアラームに主に焦点を当てている。病院を逃げ出したはいいが、アラームは米軍進攻下の危険なバグダッドで生き抜いていかねばならない。
アラームはその後、さらなる蛮行に苦しめられる。最初は強盗に、次に米兵に暴行を受けるのだ。これこそがイラクに降りかかった運命だ――監督はあからさまにそうほのめかしている。
■撮影中もトラブル多発
ダラージ監督は2003年1月のイラク戦争開戦時、フセイン政権下での迫害から逃れるため欧州に亡命した。同年4月、米軍進攻直後の普通のイラク人の窮状を描く映画を作るため、祖国に帰った。
撮影はバグダッド市内で行われたが、外出禁止令が出され、電気も止められている非常に困難な状況だった。監督も含めたクルーは幾度となく、映画撮影中であることを疑う暴徒や米軍に拘束された。
だが監督の苦労はしっかりと実を結んだ。映画が完成した2004年以降、カイロ(Cairo)、ドバイ(Dubai)、カルタゴ(Carthage)、ロッテルダム(Rotterdam)、ミュンヘン(Munich)、モスクワ(Mosco)、ニューヨーク(New York)、シアトル(Seattle)、東京などの国際映画祭で上映されたのだ。スペイン、米国、英国では配給もされた。
数々の賞も受けた。2005年のカイロ国際映画祭(Cairo International Film Festival)では最優秀アラブ映画賞、2006年にパリ(Paris)で開かれたアラブ映画祭では特別審査員賞、2006年のカルタゴ映画祭(Carthage Film Festival)では最優秀主演男優賞を獲得している。(c)AFP