【4月18日 AFP】訪米中のローマ法王ベネディクト16世(Pope Benedict XVI)は17日、ワシントンD.C.(Washington D.C.)に新築されたばかりの野球場「ナショナルズ・パーク(Nationals Park)」で、集まった約4万8000人を前に大規模なミサを行った。ミサ後、米国での聖職者による性的虐待の被害者らと初めて面会し、被害者らとともに祈りをささげ「励ましと希望の言葉」を伝えた。バチカン政府が声明の中で明らかにした。

 ローマ法王はカトリック教会を揺るがした性的虐待については「深く恥じる」と述べるなど、米国訪問以来、数回にわたって謝罪を行っている。ナショナルズ・パークのミサでも、ローマ法王は詰めかけた参加者の前で「そのような虐待行為によって受けた痛みや傷は、どんな言葉をもってしても表現できない」と語った。

 また、ローマ法王は米国民に対し、教会を受けいれ、性的虐待という過去の悲劇を癒やす手助けをするよう訴えた。ミサ参加者は法王の訴えに温かい反応を示したが、説教のなかで再び、聖職者による性的虐待という「悲劇」が言及されると、会場は重苦しい雰囲気に包まれた。

 法王は、米国や世界のカトリック教会に対し、自らの信仰を強めるとともに、社会全体に広がる「反感、怒り、対立などの兆候」に対応していくための変革を求めた。(c)AFP/Karin Zeitvogel