【4月18日 AFP】今から40年前の1968年は、世界各地で暴動や大規模デモ、暗殺などの大事件が多発した年だった。なかでも、この年に世界を震撼させたいくつかの重大事件を以下に列挙する。

<1月>
ベトナム戦争で北ベトナム人民軍が、南ベトナム軍および同政府を支援する米軍に一斉攻撃を仕掛けた「テト攻勢(Tet Offensive)」。米軍の絶対的優勢を確信していた米国世論に衝撃を与え、国内に反戦機運が高まる。ベトナム戦争の転換点となった。

<3月>
8日、ポーランドのワルシャワ大学(Warsaw University)の学生・知識人たちが民主化を要求した「3月事件」が発生。事件後、共産党政権はこれを口実に、反ユダヤ主義運動を開始した。

<4月>
4日、米国の黒人公民権運動家マーティン・ルーサー・キング(Martin Luther King Jr)牧師がメンフィス(Memphis)のモーテルで暗殺される。これをきっかけに、全米各地で人種暴動が発生。

23日、米ニューヨーク(New York)のコロンビア大学(Columbia University)で、学生たちが大学当局に対し、ベトナム戦争支援機関に関与していると非難、大学を封鎖する。

<5月>
フランス各地の街頭で、学生たちが大規模な反体制デモを展開。13日にはパリ(Paris)でゼネストが行われ、学生が警官隊と衝突、仏全土はまひ状態に陥った。このいわゆる「5月革命」に触発され、イタリア、ドイツ、トルコ、日本、ブラジルでも学生による反体制運動が広がった。

<6月>
5日、故ジョン・F・ケネディ(John F. Kennedy)米大統領の実弟、ロバート・F・ケネディ(Robert F. Kennedy)上院議員が、ロサンゼルス(Los Angeles)で大統領選の選挙活動中に暗殺される。

<7月>
前年から開始されたビアフラ(Biafra)戦争により、ナイジェリアで数百万人が飢えで死にゆく姿が世界中に報じられ、国際人道支援が本格化する。

<8月>
チェコスロバキアで当時のアレクサンデル・ドプチェク(Alexander Dubcek)共産党第1書記が「人間の顔をした共産主義」を掲げた民主化運動、「プラハの春(Prague Spring)」が起こったが、ワルシャワ条約機構(Warsaw Pact)軍が侵攻し、動きを圧殺。多数の死者が出た。

<10月>
メキシコ五輪を10日後に控えたメキシコ市(Mexico City)で、民主化要求デモに警官隊が発砲し、学生ら200-300人が死亡。五輪では米国人の黒人選手2人がこぶしを突き上げて「ブラックパワー」を誇示、「動乱の1968年」のシンボルになった。(c)AFP