【AFP】世界最大の野外音楽とパフォーマンスアートの祭典「グラストンベリー・フェスティバル(Glastonbury Festival)」のチケット売れ行きが不振の中、英ロックバンド、オアシス(Oasis)のノエル・ギャラガー(Noel Gallagher)は14日、英国放送協会(BBC)のインタビューで、「ラッパーのジェイ・Z(Jay-Z)をフェスティバルのヘッドライナーに起用したことが間違いだ」と語った。

 英南西部サマセット(Somerset)州にあるWorthy Farmで開催される同フェスティバルのチケットは過去数年、発売開始から数時間で完売している。ところが前週に発売開始した今年のチケットは、まだ多数売れ残っているという。本年の同イベントでは、ヒップホップ界のスター、ジェイ・Zがヘッドライナーを務めることになっているが、チケットの売れ行き不振から降板するといううわさを打ち消すそうと躍起になっている。

「壊れていないものは直す必要はないよ(ことわざで「うまくいってることに対しては余計なことをしない方がいい」という意味)」。1995年と2004年にフェスティバルでヘッドライナーを務めたギャラガーはこう話し、ギターとダンスミュージックが伝統のフェスティバルにヒップホップのアーティストを出演させるという決定を非難した。

「(フェスティバルを)ぶち壊すっていうんなら、誰も行かなくなるだろう。ジェイ・Z? 悪いけどあり得ない。グラストンベリーにヒップホップは要らないね。間違ってるよ」

 ギャラガーの意見はファンの間で共感を呼んでいる。音楽雑誌NMEの電子版に、あるファンは次のように書き込んでいる。「ヘッドライナーがヒップホップなのはいいかもしれないけど、ジェイ・Zはグラストンベリーが大切にしているものとあっていない。金、銃、車、派手な格好…そんなのものはグラストンベリーらしくないと思う」

 一方、フェスティバル主催者側は今回の決定を擁護し、ジェイ・Z降板の可能性を否定している。

 6月27日から29日にかけて開催される本年は、エイミー・ワインハウス(Amy Winehouse)、ザ・ヴァーヴ(The Verve)、 マッシヴ・アタック (Massive Attack)やキングス・オブ・レオン(Kings of Leon)も出演する。

 グラストンベリー伝統の泥まみれのフェスティバルとなった前年は、17万7000人の観客を動員。アークティック・モンキーズ(Arctic Monkeys)、ザ・キラーズ(The Killers)、ザ・フー(The Who)がヘッドライナーを務めた。(c)AFP