【AFP】「植物にも尊厳があり、みだりに花を摘むことは非倫理的行為である」とするスイスの専門家らによる報告書が14日、発表された。

 この報告書は連邦政府機関「Federal Ethics Committee on Non-Human Gene Technology(ヒト以外の種の遺伝子工学に関する連邦倫理委員会)、ECNH」がまとめた『植物界における生の尊厳(the dignity of the creature in the plant world)』で、理由なく花を摘むのは「斬首」に等しいと論じている。

 一方で、同委員会メンバーのBernard Baertsche氏は記者会見の席で、日常の楽しみの一環として道ばたの花を摘むことは許容範囲と述べ、「植物の尊厳」についてはケースバイケースであるとの寛容性も見せた。

 同様に、「植物に対する行為が人類の存続を目的としている場合は倫理的行為の範囲内である」と認めた。また、遺伝子工学についても「植物の自主性(繁殖能力や適応能力)」を脅かすものではないとして許容している。

 今のところ、「植物の尊厳」に抗議の意を示している団体はごく少数で、スイス国民の大多数は報告書内容は彼らの倫理的価値観を侵害しないと受け止めている。(c)AFP