【4月13日 AFP】(一部更新)オークションハウスのクリスティーズ(Christie's)が米ニューヨーク(New York)で5月13日に出品する、英国人画家ルシアン・フロイド(Lucian Freud)の裸婦像「Benefits Supervisor Sleeping」(1995)。専門家の予想落札額は1700万ポンド(約34億円)で、存命中の画家の作品としては史上最高価格がつくとみられている。

 この作品のモデルとなった女性が12日、ギャラが20ポンド(約4000円)だったことを明らかにした。

 スー・ティリー(Sue Tilley)さんは英国放送協会(BBC)の取材に対し、作品のモデルとなりフロイドによる創造の源となったことを喜んでいると語った。

「ビッグ・スー(Big Sue)」のあだ名で呼ばれるティリーさんを描いたこの絵画は12日、英経済誌フィナンシャル・タイムズ(Financial Times)の一面を飾った。ティリーさんは、同紙の一面を飾った最初のピンナップガールだと冗談を言う一方で、「掲載を知らされたのは直前の10日。予想もしなかった展開に気が動転している」と語った。

 画家フロイドとティリーさんが知り合ったきっかけは知人による紹介だった。二人はしばしば昼食を共にし、食事が終わると制作にとりかかった。

 ルシアン・フロイドは、オーストリアの精神科医ジークムント・フロイト(Sigmund Freud)の孫にあたる。生まれはドイツ・ベルリン(Berlin)だが、ナチス(Nazis)の台頭をきっかけに家族はドイツを逃れ、フロイドも英国に渡り、国籍を取得した。(c)AFP