一夫多妻制教団施設で性的虐待、児童保護局
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【4月9日 AFP】(4月10日 一部修正)児童保護機関の立ち入り調査で400人以上の子どもが保護された米テキサス(Texas)州エルドラド(Eldorado)にある一夫多妻制をうたう宗教団体の施設では、思春期の少女に性行為を強要、少年に対しては教団教義を洗脳するなど性的虐待が繰り返されていたという。8日、テキサス州児童保護当局の調査官の宣誓供述書で明らかになった。
Lynn McFadden調査官の供述書によると、モルモン教の分派「末日聖徒イエス・キリスト教会原理派(Fundamentalist Church of Jesus Christ of Latter Day Saints、FLDS)」が所有する農場「Yearn for Zion(YFZ)」内では、最低年齢13歳の少女らが、複数の妻と婚姻関係にあるとされる年上の男性複数と「精神的な結婚」をし、「出産を目的とした」性行為を強要されていた。
懲罰として食料を与えずにクロゼットに閉じこめる、激しい殴打を加えるなどの行為も行われていたという。
3日から行われた立ち入り調査では、妊娠中、または出産を終えたばかりの少女が多数見つかっている。
児童保護局が立ち入り調査に踏み切ったのは16歳の少女からの救助を求める電話。この少女は約3年前に両親に農場に置き去りにされ、その直後から虐待を受け15歳で49歳の男性の「7人目の妻」になったと述べたという。
調査官によると「少女は、この施設を離れれば、外部の人間に暴行され不特定多数の男性との性行為を強要されると教会メンバーに脅されていた」という。
施設から保護された子どもは416人、成人女性は139人に上ったが、電話をかけてきた少女がこの中にいるかは確認されていない。
保護された子どもの中には「肉親の名前を言えないまたは言いたがらない、あるいは複数の母親の名を挙げた」ケースもあったという。
保護された子どもたちは現在州の監督下にあるが、17日、実の両親から永久隔離すべきかの審問が行われる。
調査官は、施設内では未成年の少年少女に対して成人男性と未成年の少女との精神的結婚を受け入れるように教義を植え付け、性的虐待行為が繰り返されていたと指摘している。
YFZ農場は預言者を名乗るウォーレン・ジェフス教団代表によって創設されたものだが、同代表は2006年、ラスベガス近郊で逮捕され、のちに強姦共謀罪で終身刑の判決を受けている。(c)AFP