【4月10日 AFP】デンマークの首都コペンハーゲン(Copenhagen)にある、童話作家ハンス・クリスチャン・アンデルセン(Hans Christian Andersen)が眠る墓地の一角に、ホモセクシュアル専用の区画が設けられたことが分かった。プロジェクト発起人が8日、明らかにした。

 プロジェクト発起人のIvan Larsen氏はAFPに対し、「『Regnbuen(虹)』という組織を立ち上げた。目標はゲイやレズビアンが隣り合って埋葬されることだ」と語る。

 この組織はアシステンス(Assistens)墓地に、最大45人を埋葬できる区画を借りた。1区画の賃貸料は2500クローネ(約5万4000円)。この墓地はアンデルセンのほか、哲学者ソーレン・キルケゴール(Soeren Kierkegaard)などが眠る墓地として知られている。

 組織が確保した区画は、大きな三角形状に敷き詰められた玉石によって、ほかの区画と仕切られている。三角形の一角には巨大な岩が置かれている。その上に多様性を示すホモセクシュアルの世界的象徴である虹の旗が掲げられる予定だという。

 Larsen氏は「三角形はわれわれの象徴であると同時に、苦難の象徴でもある」と、ナチスがホモセクシュアルにピンクの三角形を身につけるよう強要したことに言及。「孤立したくはないが、一緒にいたいという気持ちもある。家族によって守られる、家族のための墓だと思っている」と語る。(c)AFP