【4月8日 AFP】06サッカーW杯の決勝で元フランス代表のジネディーヌ・ジダン(Zinedine Zidane)氏から頭突きをされたイタリア代表のマルコ・マテラッツィ(Marco Materazzi)が現地7日、マテラッツィの人種差別的な発言がジダン氏の頭突きを誘発したと伝えた英紙から、謝罪を受けたことが明らかとなった。

 イタリア・セリエAのインテル(Inter Milan)に所属するマテラッツィは、問題のフランス戦で前半19分に同点ゴールを決め、さらに1-1で迎えたPK戦でもネットを揺らしてイタリア代表の通算4度目のW杯制覇に貢献している。

 名誉棄損でデーリー・スター(Daily Star)紙の発行元である英新聞社Express Newspapersを訴えていたマテラッツィは、裁定のためロンドンの高等法院(High Court of Justice)を訪れていた。

 マテラッツィの弁護士を務めるJane Phillips氏は、被告側が記事を「事実無根」と認め、精神的苦痛を与え名誉を傷つけたとして謝罪したことを明らかにしている。

 高等法院の外でマテラッツィは「デーリー・スター紙の謝罪にとても感謝している。ついに真実が明らかとなった。嘘を並べた他の新聞が私の訴えに対し、迅速かつ肯定的な結論を出すことを楽しみにしている。そうなって初めて心から満足することになるだろう」と語っている。

 なおPhillips氏は、被告側が多額の慰謝料と裁判費用の支払いに応じたことも明らかにしている。

 フランス代表のキャプテンを務めていたジダン氏は、決勝でマテラッツィに頭突きを見舞い退場処分を受けている。

 マテラッツィは先日、ジダン氏の頭突きを引き起こす原因となった挑発を後悔していることを認めたが、ジダン氏の家族への侮辱や人種差別的な表現は使用していないとの姿勢を崩していない。(c)AFP