カンボジアで「生き残りのアート」展、ポル・ポト時代の苦悩を描く
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【4月8日 AFP】クメールルージュ(Khmer Rouge)がプノンペン(Phnom Penh)を陥落した1975年4月、スバイ・ケン(Svay Ken)さんは子どもたちの手を引き、死体の山に足を取られそうになりながらも、数万の避難民とともに街を脱出した。
先ごろプノンペンの画廊「メタハウス(Meta House)」で、「Art of Survival(生き残りのアート)」展が開かれた。虐殺や強制労働で200万人近くが死亡したとされるポル・ポト時代(1975-79)の市民の苦悩に焦点を当てる展覧会は、国内では初めての試み。
絵画、彫刻、木炭画、鉛筆画など20を超える展示作品の中には、現在76歳のケンさんの作品もある。「Khmer Rouge hospital(クメールルージュの病院)」と題された作品では、黒衣の患者たちが一列に並び、バケツに入った食べ物を配給される様子が描かれる。「生き延びることができたら、この経験を絵にして記憶をとどめようと思っていました」と語るケンさんは、今や国内有数のコンテンポラリー・アーチストだ。
展覧会の主催者、米国人画家ブラッドフォード・エドワーズ(Bradford Edwards)さんは、展覧会の狙いを「人間性に関する普遍的な真実」を示すためだとしている。「ポル・ポト時代の恐怖は、カンボジアに限ったものではない。世界のどこにでも起こりうることなのです」
そして、もう1つの狙いは「カンボジア史上最も過酷な時代を題材にアートを花開かせ、この国のアートをもっと多くの人々にアピールする」こと。今後は国外でも展覧会を開催していきたいという。
■アートを介した「対話」
年配のアーチストの作品には恐怖と暴力の表現があふれるが、ポル・ポト時代を知らない世代の作品はより抽象的だ。たとえばヴァンディ・ラッタナ(Vandy Rattana、28)さんの写真「Going Fanatic(狂信的に)」は、共産主義を象徴する槌(つち)と鎌(かま)、米国を象徴する2つのブロックの間に四角形の光が散りばめられた作品。「政治をチェス盤に見立てた」作品だという。「カンボジアの戦争には全世界がかかわっている。あの時代を語るには、ベトナムと米国についても語る必要があるのです」
メタハウスを経営するドイツ出身のNico Mesterharm氏は、「カンボジアにおけるアートの復興は、この国がポル・ポト時代の影からついに逃れることができた象徴のようなもの。発展の証しでもある。この展覧会が対話の場を提供し、和解プロセスに貢献できることを期待する」と語った。(c)AFP/Seth Meixner
先ごろプノンペンの画廊「メタハウス(Meta House)」で、「Art of Survival(生き残りのアート)」展が開かれた。虐殺や強制労働で200万人近くが死亡したとされるポル・ポト時代(1975-79)の市民の苦悩に焦点を当てる展覧会は、国内では初めての試み。
絵画、彫刻、木炭画、鉛筆画など20を超える展示作品の中には、現在76歳のケンさんの作品もある。「Khmer Rouge hospital(クメールルージュの病院)」と題された作品では、黒衣の患者たちが一列に並び、バケツに入った食べ物を配給される様子が描かれる。「生き延びることができたら、この経験を絵にして記憶をとどめようと思っていました」と語るケンさんは、今や国内有数のコンテンポラリー・アーチストだ。
展覧会の主催者、米国人画家ブラッドフォード・エドワーズ(Bradford Edwards)さんは、展覧会の狙いを「人間性に関する普遍的な真実」を示すためだとしている。「ポル・ポト時代の恐怖は、カンボジアに限ったものではない。世界のどこにでも起こりうることなのです」
そして、もう1つの狙いは「カンボジア史上最も過酷な時代を題材にアートを花開かせ、この国のアートをもっと多くの人々にアピールする」こと。今後は国外でも展覧会を開催していきたいという。
■アートを介した「対話」
年配のアーチストの作品には恐怖と暴力の表現があふれるが、ポル・ポト時代を知らない世代の作品はより抽象的だ。たとえばヴァンディ・ラッタナ(Vandy Rattana、28)さんの写真「Going Fanatic(狂信的に)」は、共産主義を象徴する槌(つち)と鎌(かま)、米国を象徴する2つのブロックの間に四角形の光が散りばめられた作品。「政治をチェス盤に見立てた」作品だという。「カンボジアの戦争には全世界がかかわっている。あの時代を語るには、ベトナムと米国についても語る必要があるのです」
メタハウスを経営するドイツ出身のNico Mesterharm氏は、「カンボジアにおけるアートの復興は、この国がポル・ポト時代の影からついに逃れることができた象徴のようなもの。発展の証しでもある。この展覧会が対話の場を提供し、和解プロセスに貢献できることを期待する」と語った。(c)AFP/Seth Meixner