【4月5日 AFP】太平洋に浮かぶ島国パラオのトミー・レメンゲサウ(Tommy Remengesau)大統領がフィリピンのマニラ(Manila)の空港で、大統領だと気づかなかった職員のボディーチェックを拒否したことから帰国便に乗り遅れ、足止めを食う事態があった。空港当局と地元メディアが3日、明らかにした。

 2日間のフィリピン公式訪問を終えたレメンゲサウ大統領は2日夜、マニラ(ニノイ・アキノ、Ninoy Aquino)国際空港のVIPラウンジで、フィリピン政府高官の見送りを受けた後、空港職員に通常のセキュリティーチェックを受けるよう求められた。

 大統領が職員の求めに応じなかったため、同行した大統領夫人や複数の閣僚とともに帰国便に乗り遅れた。空港職員は後で失態に気がついたという。

 空港公団のアルフォンソ・クシ(Alfonso Cusi)総裁は、事実確認のための調査を開始したと発表する一方、政府は職員の失態について謝罪したと述べた。

 クシ総裁は「実際どう不具合が生じたのか、調査が必要だ」とした上で「大統領のセキュリティーチェックを免除するよう命じていたが、担当者が例外を認めなかった」と説明した。

 電話取材に対してパラオ大使館からコメントは得られなかったが、地元メディアはRamon Rechebei大使の話として、フィリピン政府が大統領一行に専用機の提供を約束したと報じた。大統領一行は3日夜にフィリピンを出国したという。(c)AFP