【4月7日 AFP】ジョージ・クルーニー(George Clooney、46)が監督・主演を務めたコメディ『Leatherheads』が4日に全米公開を迎えた。共演はレニー・ゼルウィガー(Renee Zellweger)やジョナサン・プライス(Jonathan Pryce)ら。これまで『フィクサー』、『グッドナイト&グッドラック(Good Night and Good Luck)』、『シリアナ(Syriana)』などの重い内容の作品での演技が高評価を受けてきたクルーニーだが、1920年代のアメリカンフットボールを題材にした今作では、陽気な別の一面を見せている。

 先日、ビバリーヒルズ(Beverly Hills)で行われた記者会見で『Leatherheads』の制作について語った。

 政治志向の強い映画監督という烙印(らくいん)を押されるのを避けるため、どうしても今作で主演、監督を務めたかったという。「『シリアナ』と『グッドナイト&グッドラック』のあと、声を掛けられる作品はすべて何らかの“問題”がテーマになっていた。だれもが喜んでわたしに監督をさせてくれるが、ほとんど政治的な内容の作品だった」とクルーニー。「“問題”は常に変化するものだから、そういった映画ばかりを扱う監督になるのは恐かった。でも監督業にはとても興味があるから、まったく違った作品を撮りたいと思った」

 長年共に仕事をしているスティーブン・ソダーバーグ(Steven Soderbergh)から本作の脚本を見せられたのは約10年前。だがほかの作品に取り組んでいたため、この映画は棚上げとなっていた。2006年に再び脚本に目を通し、2007年にクランクインとなった。

 演じる役どころは、体力的に辛いシーンが多かったという。「わたしは46歳だ。今撮らなければ、一生できないと思った。アメフトをやるんだからね。撮影初日に21歳の男性にタックルされて、あれは痛かったよ」

 自分の監督作に主演することはもうないだろうとクルーニーは話す。「ナルシストみたいになるから、やりにくいんだ。自分の出演シーンでは、ほかの出演俳優に指示を出すべきではない。いろいろと提案する俳優はいるけど、監督をするのは監督なんだ。だから主演が監督をすれば、役者同士の信頼感が壊れてしまう」

 もっとも、監督である自分が望んでいることはわかっていたので、役者としてはやりすかったという。「でも例えば、レニーが素晴らしい演技をしているのを離れて見ているときに、カメラを素早く近付かせて『カット!』と言わねばならないときはきまりが悪いね」(c)AFP/Paula Bustamante