【4月4日 AFP】旅行者が気候変動に対して罪悪感を持つ傾向が高まる中、ホテル・リゾート業界は環境に対する意識の高い「グリーンコンシューマー」を満足させるため、より多くの取り組みが必要だと考えるようになっている。

 単にタオルの再利用をすすめるだけでなく、さまざまなエコロジー技術が採用されるようになった。たとえば海底水による冷房システム、自動点消灯システム、有機栽培のハーブガーデン、泥のみで作られたマッドスパなどだ。

■環境問題に配慮した設備のホテルも続々登場

 経営者側も、環境に優しい方針は良心が痛まないだけでなく、財布や評判にとっても良いことに気が付いている。

 タイの首都バンコク(Bangkok)で10室のみの小さなホテル「オールド・バンコクイン(Old Bangkok Inn)」を営むNantiya Tulyanondさんは「環境は人々にとってとても重要。地球を救うためだけでなく、出費を抑えるためにも重要だ」と語る。少量の水で流すトイレ、省エネ家電、太陽光利用、回収された木材で作られた家具など、ここでは驚くほど多彩な省エネ技術が用いられている。

「自然とともに暮らすのが好き。花が、木が、動物が好き。環境に関するすべてのことの根本にはこれがあると思う」とNantiyaさんは語る。

 海辺のリゾート地ファヒン(Hua Hin)のやや南にあるリゾート施設「シックスセンシーズハイドアウェイ(Six Senses Hideaway)」では、薄いパジャマのような制服を着た従業員が敷地内を自転車で移動する。

 宿泊客は地元の材料で作られた個別の別荘でくつろぐことができる。室内にはプラスチック製のものはほとんどなく、ベッド脇には飛行機による移動で排出される有害ガスの削減を訴えるパンフレットが置かれている。

 シックスセンシーズの社会・環境責任者Srichan Monrakkharomさんは、マッシュルーム畑、マッドスパ、ハーブガーデン、太陽熱温水システム、ドアを開放するとスイッチが切れるエアコンなどに力を入れている。

 また、シンガポールを拠点に展開するホテルチェーン「バニヤンツリーホテルアンドリゾート(Banyan Tree Hotels and Resorts)」は、全社的な水管理と省エネルギー方針の発表を間近に控えているという。

■ 移動で二酸化炭素出す「観光旅行」に罪悪感?

「欧州の人たちは遠路飛行機でやってきて大量の二酸化炭素(CO2)を排出していることに罪悪感を感じている」と、環境社会学の学位を持つSrichanさんは指摘する。

 国連(UN)は前年、飛行機での移動を中心に、観光産業が世界のCO2排出量の6%を排出していると報告。さらに、2020年までに旅行者は倍増し、それに伴いCO2排出量も増加するとの見通しを出している。

 シックスセンシーズに宿泊する香港(Hong Kong)の広告業界で働く30代の夫婦は、予約前にこのリゾートの環境方針を調べようとしたという。ただ、宿泊客の多くが環境方針をどのように調べたらよいのかわからないというのも事実だ。

 インターネットの検索エンジンで「エコリゾート タイ」のキーワードで検索すると、約3万4000件がヒットする。また、一定の基準を満たした環境に優しいホテルを紹介するサイトもある。(c)AFP