【4月3日 AFP】北大西洋条約機構(NATO)首脳会議が2日、3日間の日程でルーマニアの首都ブカレスト(Bucharest)で開幕した。同会議でNATO首脳は、加盟希望国のうちアルバニアとクロアチアの加盟を認めることで合意したが、残りのマケドニア、ウクライナ、グルジアの加盟承認は先送りになるとみられる。

 NATO首脳は、夕食会の席上でも加盟問題を協議したが、グルジアとウクライナがNATO加盟につながる「加盟行動計画(MAP)」の承認に関しても同意には至らなかった。また、マケドニア加盟については、ギリシャが拒否権をちらつかせるなどして強硬に反対した。

 アルバニア、クロアチア、マケドニアの3国は、今回の首脳会議でNATO加盟の承認を得ようと、水面下での動きを活発化させてきた。外交関係者らも、3国に加盟資格があると認めていた。

 旧ユーゴスラビアのマケドニアについては、その正式名称をめぐり紛争中の隣国ギリシャから横やりが入った。ギリシャは、国内にマケドニアという州を有していることから、この名称の使用を認めていない。ギリシャ政府は、領土問題に発展することを懸念している。一方のマケドニアは、正式名称のマケドニア共和国を外交上で使用することを望んでおり、ギリシャとは両国で受け入れ可能な別の国名が決まる可能性もある。

 グルジアとウクライナ両国の加盟については、ジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)米大統領は米政府は両国がNATO加盟につながる「加盟行動計画」の承認を得ることを願っているとし、各加盟国からロシアは「拒否権を発動しない」との確証を得ていると述べていた。だが、首脳会議では、米国と、2国の加盟が不安定化を招くと懸念するフランスやドイツなど欧州主要国とが真っ向から対立するかたちとなった。

 アフガニスタンに関しては、フランスが東部地域へ大隊規模(通常は800人程度)の増派を表明しており、アフガニスタンでの犠牲者数が増加する中、カナダが来年にも撤退するのではないかとの懸念を収めたかたちだ。
 
 カナダ議会では前月、アフガニスタン南部へのカナダ軍部隊派遣を2011年まで延長する法案を承認しているが、NATO諸国が兵力を増強しない場合は、来年2月にも撤退するとの姿勢を示していた。(c)AFP/Lorne Cook