【4月2日 MODE PRESS】ボブ・ディラン(Bob Dylan)の45年にわたる音楽人生を、6人の俳優が6つの人格で演じ分けた『アイム・ノット・ゼア(I’m Not There)』が4月末から公開される。

■フィクションを通して描きたい

 監督のトッド・ヘインズ(Todd Haynes)は、「ありきたりの伝記映画を撮るつもりは最初からなかった。ディランの真実は、“フィクション”を通して描かなくてはいけない」という。
 
 6人の俳優を起用することは、変化の連続であるディランの人生を描く最善策だった。「彼の人生と作品を濾過し、別々の人格を浮き上がらせて、それぞれを物語に仕立てることが、彼の真実を表現するたったひとつの手段だと思った」とトッド。

■ディラン本人が製作を許可

 ディランのマネージメント側はこうした手法を尊重し、トッドがイメージするままのディラン像を描くことを奨励してくれたという。

 「ディラン本人に直接会うことはなかったし、その必要性も感じなかった。映画のコンセプトを送った数ヶ月後、ディランから“イエス”という言葉が返ってきたことは、いまだに信じられないけどね」

■タイトルはどこから?

 「アイム・ノット・ゼア」というタイトルは、67年に行われた『ベースメント・テープス(Basement Tapes)』セッションで演奏された楽曲だ。トッドはリサーチ中にこの曲と出会い、詩人ランボーの“私はひとりの他者である”という有名な一節を想起したという。「複数のディランを描くことで一つの人間像に迫るという映画は、まさにこの曲とぴったり合っていたんだよ!」(c)MODE PRESS

公開情報:4月26日より、シネマライズ・シネカノン有楽町二丁目他全国ロードショー