【4月1日 AFP】中国の国営新華社通信(Xinhua news agency)は1日、勤務先の銀行から4500万元(約6億4000万円)を横領し宝くじ購入に使っていた元銀行職員2人の死刑が執行されたと伝えた。

 死刑が執行されたのは、任暁峰(Ren Xiaofeng、34)、馬向景(Ma Xiangjing、37)両死刑囚。3月31日に中国北部の河北省(Hebei)で刑が執行された。地元メディアは2人を「中国最大の銀行泥棒」と呼んでいた。

 両死刑囚は、勤務先の中国農業銀行(Agricultural Bank of China)邯鄲(Handan)支店から金を横領したとして、前年8月に死刑判決を受けていた。

 両死刑囚は、金庫管理者の地位を利用して銀行から金を横領、宝くじの購入にあてていた。横領した多額の金で大量の宝くじを買えば横領分を返済できる上に、薄給の仕事をリタイアして贅沢な暮らしができるようになると考えたという。

 当初、任死刑囚はほかの銀行職員2人と共謀して金庫から20万元(約280万円)を横領し、この金で宝くじを購入した。このときのくじは当たり、任死刑囚は横領分を金庫に返していた。

 その後、馬死刑囚と共謀するようになってから犯行はエスカレートし、2007年3月から4月の約1か月の間に5095万元(約7億3000万円)を横領した。横領した金を使って邯鄲市内で4500万元(約6億4000万円)分の宝くじを購入したものの今度は当たりくじは出なかった。両死刑囚は4月半ばに逃亡し、わずか数日後に逮捕された。(c)AFP