【3月26日 AFP】サッカーイングランド代表のファビオ・カペッロ(Fabio Capello)監督が、これまで主将を務めていたジョン・テリー(John Terry)が怪我から復帰したにもかかわらず、リオ・ファーディナンド(Rio Ferdinand)を現地26日に行われるアウェーでのフランス戦の主将に任命した。

 カペッロ監督の初采配となった2月6日のスイス戦では、怪我で欠場したテリーに代わりスティーブン・ジェラード(Steven Gerrard)が主将を務めた。

 カペッロ監督は、2010年サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)の欧州予選が始まる9月までは、主将を交代で務めさせる意向を持っているが、多くの人がテリーが主将を務めると考えていたため、ファーディナンドを選んだカペッロ監督の決断は、テリーを冷遇していると解釈されることになるかもしれない。

 一方で、薬物検査を受けずに8か月の出場停止処分を下されたことで欧州選手権2004(Euro 2004)を欠場に追い込まれた経験を持つファーディナンドにとっては、主将を務めることは選手としての成長ぶりを示す重要な機会になる。

 ファーディナンドは「子供のころは誰でも代表主将としてプレーすることを夢見るだろう。その夢を叶えることができる。監督が順番に主将を指名することは明らかなので、これからずっと続くわけではない。それでも私だけでなく、家族とチーム(マンチェスター・ユナイテッド、Manchester United)にとって素晴らしいことだ」と語っている。

 過去にグラウンド外での振る舞いにより批判を浴びることはほとんどなかった故ボビー・ムーア(Bobby Moore)氏、ボビー・チャールトン(Bobby Charlton)氏、ケビン・キーガン(Kevin Keegan)氏などの人物が務めてきた役割を、出場停止処分を受けた人物が務めるのはおかしいと考える人々は多い。

 そのことについてファーディナンドは「誰もが浮き沈みを経験するが、それらの状況をどう乗り切るかだ」と語り、批判を相手にしなかった。

 ファーディナンドを指名したカペッロ監督は「過去は過去だ。ファーディナンドは出場停止の処分を受け入れ、以降は偉大なプロ選手であることを証明してきた。5日間練習を見てきたが、ファーディナンドはイングランドの主将を務めることができると感じた」と語り、ファーディナンドに責任を与えることに少しのためらいもなかったとの見解を示している。

 さらにカペッロ監督は、オフシーズンの間に行われる2回の親善試合のどちらかでテリーが主将をつとめることになるとは、明言しなかった。

 2007年12月に右中足骨を骨折したテリーはスイス戦を欠場、復帰以降もベストコンディションには程遠く、フランス戦の内容次第ではジョナサン・ウッドゲート(Jonathan Woodgate)に先発の座を明け渡すことになるかもしれない。(c)AFP/Angus MacKinnon