【3月23日 AFP】(一部更新)スリランカ北部で週末にかけ、反政府組織「タミル・イーラム解放のトラ(LTTE)」が実効支配する地域に侵入しようとした政府軍治安部隊と同勢力の間で激しい戦闘が発生した。スリランカ政府、LTTE双方が23日、発表した。

スリランカ国防省によると、政府軍 はLTTEが掩蔽(えんぺい)壕で築いた防衛ラインを突破した。LTTE側に多数の死傷者が出た。これにより22日朝以降の戦闘によるLTTE側の死者の数は22人から80人に増え、国防省が発表しているスリランカ軍の死者数も22日、4人から5人に増えた。

 一方でLTTE側は、政府軍の侵入に抵抗し、政府軍側に多くの死者が出たと発表している。 同勢力系のウェブサイト「Puthinam.com」によると、LTTEは22日の戦闘で政府軍兵士55人を殺害、120人を負傷させたという。

 22日、この激しい衝突が発生する数時間前にはスリランカ北東部沖合いで、スリランカ海軍の高速攻撃艇がLTTEにより爆破され沈没、行方不明となっている乗組員10人は死亡したとみられている。

 国防省はまた、同国北部のLTTEの支配下にあるとみられる地域を22日に空爆したとしている。死傷者に関する情報は明らかにされていない。

 政府発表によると1月以降の戦闘による死者は、LTTE側2322人、政府軍側136人となっている。同国政府は報道関係者や人権活動グループらの戦闘地域への立ち入りを許可していないため、実際の数字の確認は不可能となっている。 (c)AFP