【3月15日 AFP】米国の科学者らがトマトの形状を決定する遺伝子を特定し、クローンすることに成功したとする論文が、13日発行の米サイエンス(Science)誌で発表された。植物の形の謎を解き明かす鍵となることが期待される。

 オハイオ州立大学(Ohio State University)のEsther van der Knaap準教授(園芸・作物学)が主導した研究で、トマトを長円形にする役割を果たす遺伝子を特定。研究に用いた長円形のトマト「SUN 1642」にちなんで、この遺伝子を「SUN」と命名した。
 
 既に知られていた遺伝子「OVATE」に次いで、トマトの形状に影響する遺伝子が見つかったのは2番目で、野菜の発展過程の解明に新たな知見が加わることとなる。

 野菜のなかでもトマトは特に形状や大きさが多様性に富むことから、形状の研究には格好な研究対象だ。トマトは、小型で球状をした野生の果実から派生したと考えられている。一方、トマトのみならず野菜や果実が現在の形となる過程で遺伝子がどのように影響したのか、ほとんど分かっていない。

 同準教授は、「トマトの栽培過程で大きさや形状を決定付ける全ての遺伝子が解明できれば、こうした遺伝子を取り出し、ピーマンやキュウリといった野菜の形状の研究にもつなげられる」と期待を示す。

 今回の研究で発見された遺伝子「SUN」が、トマトの表現型変化を起こす仕組みはまだ解明できていないという。しかし、少なくとも遺伝子「SUN」を操作すればトマトが長円形になることは判明した。

 研究グループの次なる目的は、他の野菜や果実の形状においても「SUN」が作用しているのか、それとも類似する異なる遺伝子によるものなのかを解明することだという。

 「SUN」が形状に影響するのは授粉が行われた後だが、「OVATE」は開花前に作用することがわかっている。(c)AFP