【3月13日 AFP】イスラエル政府は12日、カタールの衛星テレビ局「アルジャジーラ(Al-Jazeera)」に対し取材拒否を決定したと発表した。

 イスラム原理主義組織ハマス(Hamas)が実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)へのイスラエル軍の攻撃をめぐる報道に偏向があったためとしている。

 Majali Wahbe副外相はラジオのイスラエル軍放送で、アルジャジーラの報道には「信頼性がなく、われわれに損害を与えている」「アルジャジーラは事実の半分しか報道せず、テロリストを支援している」などと説明した。

 イスラエル当局は今後アルジャジーラのインタビューに応じないほか、抗議文書を数日以内に同局に送付するという。

 アルジャジーラ側は同日、声明でイスラエル側の決定に「非常に驚いた」と述べ、偏向報道を否定。取材拒否について正式な通達は受けていないと発表した。

 イスラエル外務省高官はAFPの取材に、パレスチナ武装組織のロケット弾攻撃にさらされている同国南部アシュケロン(Ashkelon)に言及し、「アルジャジーラはガザ側の様子しか報道せず、アシュケロンについては報道しなかった」と指摘した。

 イスラエル軍による最近のガザ地区への攻撃では、これまでにパレスチナ人130人以上が死亡した。イスラエル側も、ガザ地区からのロケット弾で1人が死亡するなど4人が犠牲になった。(c)AFP