【3月13日 AFP】 絶滅の危機にあり、夜行性のため野生で目撃されるのは極めてまれであるコビトカバの姿を、西アフリカ・リベリアの国立公園内に設置されたカメラがとらえた。関係当局が11日、明らかにした。

 同国の森林開発を担うForest Development Authorityのジョン・ウッズ(John Woods)氏によると、英ロンドン動物学協会(Zoological Society of LondonZSL)は2月1日から15日の間にサポ(Sapo)国立公園に40台のカメラを設置し、コビトカバの姿を撮影することに成功。その存在を再び確認できたという。

 ウッズ氏は「この期間に発見された動物の種の数は想像を絶する。その中でも最も重要な種の1つはコビトカバだった」と語った。

 リビアでは、1989年から2003年の間に2回の内戦が起き、野生生物が食料として食べられていたこともあり、コビトカバが野生で目撃されるケースはごく少ない。

 ロンドン動物学協会は、リベリア、コートジボワール、シエラレオネに野生で生存するコビトカバは3000匹を下回ると推計している。ただ、同種については分かっていることがほんのわずかであるため、推計は不正確かもしれないという。近年、個体数調査が実施されていない上、生息場所の環境が悪化している。コビトカバは大型のほ乳類で、一般のカバの次に近い動物はクジラだという。

 面積1800平方キロを超える国内最大のサポ国立公園には、西アフリカチンパンジー、マルミミゾウ、アンテロープなどの希少種も生息している。公園は1983年、この地域にコビトカバがいたため設立されたという。(c)AFP