【3月12日 AFP】韓国で母娘4人が殺害された事件に関与したとして指名手配されていた韓国プロ野球の元スター選手、李昊星(イ・ホソン、Lee Ho-Seong)容疑者(41)がソウル(Seoul)市内の漢江で遺体で見つかった。11日、捜査当局が発表した。

 李容疑者の遺体にはけがなどの外傷はなく、警察は自殺とみて捜査を進めている。遺書は見つかっていないが、親族の1人に自殺を示唆する手紙を送っていたとされる。

 これに先立ち警察当局は10日、ソウルの300キロ南の和順(Hwasun)にある墓地の職員から、李容疑者によく似た男性に、李容疑者の父親の墓の隣りに穴を掘るよう頼まれたと通報があり、現場を捜索したところ母娘4人の遺体を発見した。職員らは現場に向かう際、男性の車に同乗するのを拒まれたといい、車内には大きなカバン2つが載っていたと証言している。

 李容疑者は交際関係にあった母親(45)から借りた17万7000ドル相当(約1900万円)金の返済を迫られていたという。母娘が行方不明になった2月18日、李容疑者が一家のマンションの部屋から大きなカバンを運び出す姿が防犯カメラに映っていたため、警察は公開手配に踏み切った。警察は李容疑者の写真を公開、3000ドル相当(約30万円)の報奨金をかけ情報を募った。

 李元選手は南部・光州(Gwangju)を本拠地とするヘテ・タイガース(現起亜タイガース)に入団し、1990年代には4度のシリーズ優勝の原動力ともなった。2001年の引退後は結婚式場事業や不動産投資などを手掛けたが失敗し、巨額の負債を抱えていた。

 また警察は、2005年8月に失踪したとされる李容疑者の共同事業者Cho氏の行方も追っている。李容疑者は失踪前のCho氏に最後に会ったとして警察の事情聴取を受けていた。(c)AFP